ここは海抜2.8メートル

ここは、自分のための雑記置き場です。

記録について

これはここ数カ月の間に感じていることについての記録です。
今年の3月あたりから少しずつと出掛けられなくなり、家に籠るようになった。はじめは大体読書だけで一日を終えていたが、それも辛くなってきて、部屋の片づけをするようになり、卒業してから手をつけていなかった大学のゼミ関連の書類の整理をした。
先生から配られた資料、自分や他のゼミ生のレジュメ。それらを見返していたらあっという間に時間が経って、そしてどうしても日付順に並べたくなった。何のテーマで話して何を思ったか、どう影響を受けたか、先生はどのタイミングで何をアドバイスしてくれたか。並べることで忘れていた時間のあらすじを思い出せると気がついた。

そういえばもともと日付というか、ある一日や期間の時間の流れを覚えておくことに執着していたな、と思った。それはわたしが海抜3メートル未満の場所に住んでいるから。写真や手紙、日記、どこかで買ったお土産とか色々なものを失った時、あらゆる記憶にアクセスできる自信がないから。もしも記憶の大部分がぼやけてしまったら、きっと悲しい気持ちになる。既に悲しい気持ちになることはあって、例えばわたしは音の記憶力が特に悪いのか、たまにしか会わない人の声を忘れてしまう。何人かの亡くなった人たちの声はもう忘れてしまっている。あとは、少し通らないでいるうちに住んでいる町のある場所が更地になっている時。大抵そこに何があったのか思い出せない。
そういう悲しいことが一気に起こったら困るので、執着してしまう。

それと日付の重要性についてもう一つ気づいたことがある。
ゼミの資料整理をしていて、今がこの状況になったことにより自分の卒業研究はコロナ以前のものになってしまうのだと思った。わたしの卒業研究は関連ニュースを気にかける限りゆるやかに継続していけるものだったはずなのでそれが途切れてしまうのは悲しい。だから現在の関連ニュースはなるべく追うことにした。
研究テーマは水族館についてだったので、資料になるのは新聞、ネット記事、各施設の公式発表です。新聞記事を切り取る時は必ず日付を書いておく(当然のことですがわたしはよく忘れます)。新聞記事は記事の大きさにも意味がある。ネット記事と各施設の公式発表は水族館のものだけでなく類似施設(動物園、博物館、美術館、図書館)のものも集めるし、世間の雰囲気を表すものも必要。新聞でもネットでも、記事はどのメディアがどれくらいの規模で何を取り上げていたのかという意味でも資料になる。
また自分の行動や職場の雰囲気についても記録しておく。いつまで遠出していたか、いつ何を躊躇うようになったか、職場の感染対策はどう変化していったか。
そうすると立体的にこの時間を記録できるので、細かく日付を控えていくことは大切だと思いました。(普段から政治経済に関心のある人にとってはこれが普通だと思いますが)
学生の頃と違って決して楽しくはないのだけれど、「あの頃は……」とこうなる前の日々を思い出し続けるのもしんどいし、研究中にインタビューや講演会で話をしてくださった方々がわたしの生活と地続きの場所でどんな問題に直面してどんな工夫をされているのか、何を思っているのか、目を向けないのは嫌だと勝手に思って、調べることにしました。

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これは卒業研究データを入れていたものです。海遊館にあったガチャガチャの正座カマイルカです。

ここはほぼ日記のつもりなのですが、なんとなく公開しているので時々誰かに語りかける口調になります。