ここは海抜2.8メートル

ここは、自分のための雑記置き場です。

記録について

これはここ数カ月の間に感じていることについての記録です。今年の3月あたりから少しずつと出掛けられなくなり、家に籠るようになった。はじめは大体読書だけで一日を終えていたが、それも辛くなってきて、部屋の片づけをするようになり、卒業してから手をつ…

『ソフィ カル―限局性激痛』について

家から自転車で20分ほどの場所にある公園に、大きなミモザの木があった。一昨年の春に見つけて、花が咲くのを毎年楽しみにしていたけれど、この間行ったら切られていた。切られていた、というのはもしかしたら誤りで、後になってミモザの木がある場所を調べ…

「今日から春」という感覚からはじまる話

youtu.be 2017年春に放映されていた「LINE MOBILE」のCM。この交差点編には、初めて観た時から心を掴まれ続けている。少し黄色がかった光は、まだ日没の時間が早く感じられる春の午後(その頃の温度やにおいまでも)を想起させる。あの光に当たったものが、…

川内倫子氏の個展『Halo』と荒木経惟氏の個展『センチメンタルな旅 1971‐2017‐』について

(2017年の日記から) 7月8日 川内倫子氏の個展『Halo』展示されていたのは9枚。写真集を買った。 この写真集は、大きく分けて3つのテーマで構成されている。1.ヨーロッパの大きなムクドリの群れ2.中国河北省の祭「打樹花」3.出雲・稲佐の浜で行われる神…

写真新世紀展 デレク・マン氏『What Do You See, Old Apple Tree?』について

写真新世紀展に行ってきた。一番好きだと思った作品は、デレク・マンさんの『What Do You See, Old Apple Tree?』でした。 この作品は、りんごで作ったピンホールカメラで撮影されたものである。 イギリスで、都市開発によって姿を減らす果樹園。この作品は…

「世界の果ては折りたたまれて、世界の内側にもぐりこんでいる」

(この記事は森見登美彦氏の作品『ペンギン・ハイウェイ』と『夜行』の物語の核心に触れています) 『ペンギン・ハイウェイ』を読んだのは、高校生の時です。書店で平積みされた単行本の表紙に惹かれて手に取り、1ページ読んですぐ、「これは絶対好きになる…

『透明なゆりかご』最終話を観て、『海街diary』を思い出した

『透明なゆりかご』最終話を観た。産婦人科を舞台に、高校の准看護科に通うアルバイトの主人公アオイの視点を中心に、中絶や母体死亡、14歳の妊娠などを描いた本作。最終話のタイトルは「7日間の命」。 由比産婦人科に通う妊婦・灯里の胎児の心臓に異常があ…

ここは海抜2.8メートル

学生時代のノートが必要になり、本棚の整理をしていたら、これまで書いてきたレポートや日記が出てきました。ゆっくりそれらを読み返すと、芋づる式に当時の空気感や抱いていた疑問、見ていた景色を思い出しました。 わたしが住んでいる場所は海の近くで、物…